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J-CTECコラム

CADオペレーターの仕事とは

建築に興味がある方なら、「CAD」という言葉を目にしたことがある方も多いでしょう。CADとは、「Computer Aided Design」の略称で、建築の設計図や図面を作成するとき(業界では、図面を作成することを“引く”といいます。上記を使って製図をしていた名残でしょうか)に使われるソフトのことです。

CADオペレーターとは、このソフトを使って、図面を作成する職種のことを指します。作成した図面の修正・調整作業もCADオペレーターの担当です。CADは建築の世界だけでなく、機械などの設計や洋服のデザインでも活用されていますが、ここでは建設業界での仕事について説明します。

気を付けておきたいこと

仕事を始める前に注意しなくてはいけないことは、CADオペレーターとは、デザイナーではないということです。建設業界におけるデザインの仕事は建築士や設計士が担っており、CADオペレーターは、彼ら・彼女らの指示を受けて、その通りに設計・工事図面を作成することが求められます。そこではデザインの要素を求められませんし、勝手にアレンジを加えることはルール違反となってしまいます。

その一方で、一つの建物、一つの現場をすすめるためには何十枚、何百枚という膨大な図面が必要となり、CADオペレーターは絶対に欠かすことができません。裏方ですが、主役のように絶大な存在感を持つ仕事。それがCADオペレーターの仕事なのです。CADオペレーターとして研鑽をつみ、建築士や設計士に挑戦する方も数多くいますので、ここから建設業界の仕事に挑戦するという考え方で臨むのもよさそうです。

CADには種類があります

CADには平面図を扱う「2D CAD」と、立体図を扱う「3D CAD」があります。2D CADの図面は、「三角法」というルールに基づき、正面図、平面図、側面図という構成で描かれており、3つの角度から見た形を2次元の図面で表現します。これは手書き図面とほぼ同じ作業ですが、コンピュータで行うところが2D CADのメリットです。

一方3D CADは、立体そのものを作成するため、任意の視点から立体をすぐに見ることができ、複雑な立体を認識しやすいことがメリットです。3D CADデータがあれば、専門知識がない方でも容易に形状を把握でき、理解が速くなります。

CADオペレーターに向いている人/向いていない人

全般にCADオペレーター業務は細かい作業が多いが特徴です。数センチ、数ミリ単位の修正を幾度にもわかって行う必要があります。モノづくりの志向性はもちろんですが、イメージをざっくり形にするという方よりも、精緻な表現を好む方や慎重に物事を行える方が向いているでしょう。

また、先に述べようにCADは幅広い業界で活用されているスキルですので、身に付けた経験を広く社会で活かせるのも魅力です。いずれにせよ、モノづくりに関わりたいと考えている人にとって、CADオペレーターは非常に魅力ある仕事だといえるでしょう。

CADオペレーターの年収はどれくらい?

CADオペレーターは、20代~30代の若手がボリュームゾーンを占めており、平均年収は職場や職種により異なりますが、だいたい300万~400万円と言われています。勤続・経験年数が長いほど収入が高くなる傾向があり、年収500~600万円台の方も珍しくありません。しっかりと実務経験を重ね、建築士や設計士からのオーダーを確実にこなし、人よりも速いペースで図面を仕上げられる。そうした方なら、より高い収入を得ることができそうです。

CADオペレーターになる方法とは?

建設業で働くCADオペレーターを目指すのではあれば、各種学校で建築を専攻し、ゼネコンをはじめとする建設業界の各企業に入社するのが一般的なコースと言えます。専門学校であれば、CAD専門のコースを設けていて、社会人を経験した後で入学する方も多くみられます。また、働きながらスキルを身に付けたいという方なら、社会人向けに講座を開講するスクールで学ぶという選択肢もあります。

目下建設業界では、各職種において人手不足にあると言える状態ですので、実務未経験でも「CADが使えれば」という条件のもとでCADオペレーターを中途採用で募集する企業も多く見受けられます。CADオペレーターは建設業界各職種の中でも女性の比率が高く、性別に関係なく働ける職種ですので、モノづくり業界での活躍を目指す方なら、一度検討されてみてはいかがでしょうか。


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