電気系資格一覧(種類、難易度、試験内容)

建設業界で活かせる電機系の資格としては、電気施工管理技士、電気主任技術者、電気工事士、建築設備士、消防設備士、技術士・技術士補、PV施工技術者、配電制御システム検査技士などがあります。それぞれどんな資格なのか、簡単に説明します。
電気系資格の種類と内容
電気施工管理技士
電気施工管理技士とは、電気工事の現場で管理・監督能力を行える能力を持った人材であることを認定する国土交通省管轄の国家資格です。1級・2級の2種類があり、1級を取得すれば、一定規模以上の電気工事を請け負うために企業が置かなくてはならない「専任技術者」となることができます。
電気主任技術者
電気主任技術者とは、電気工作物の工事・維持・運用に関わる国家資格です。第1種から第3種までの3種類があり、資格試験の略称から「電験○種」という通称で呼ばれることも多い資格です。資格の種類は、取り扱うことができる電圧の種類に依っており、最上位資格である第1種は、すべての事業用電気工作物を扱うことができます。
電気工事士
電気工事士とは、住宅や工場、ビルなどで用いられる電気設備の専門知識・技術をもった技術者であることを示す国家資格です。欠陥工事による感電や火災といった不慮の事故を防止することを目的に、経済産業省によって定められた資格です。
建築設備士
建築設備士とは、電気設備を含む建築設備全般に関する高度な専門知識を有し、建物・設備の設計を行う設計士に対し、建築設備の設計・工事監理の観点から助言を行う能力を持つことを示す資格です。
消防設備士
消防設備士とは、消防法に基づき義務づけられている消防設備の設置・維持について、工事・点検・整備を行うために必要な資格です。
技術士・技術士補
電機設備を含む各産業分野において、技術コンサルタントとして役割を果たすことができる最高クラスの知識・技術を持った人材であることを示す資格です。学術界でいうと「博士」にあたるような、最高峰の権威を持ち、相応の難易度を持つ資格です。
PV施工技術者
PV施工技術者とは、住宅用の太陽光発電システムの施工品質向上と人材育成を目的に 「一般社団法人太陽光発電協会(JPEA)」が認定する資格です。
配電制御システム検査技士
配電制御システム検査技士とは、工場などで用いられる配電設備の検査業務に従事する技術者の知識・技術を証明する資格です。
工事全体の流れを理解し、管理監督業務を行うなら電気施工管理技士!
人の生活や企業の活動に密接にかかわる電気工事。その工事全体に関わり、安全な工事遂行のために専門的な知識・経験を積んでいきたいという方には、電気施工管理技士の資格取得がおススメです。工事計画の策定から予算管理、安全管理、品質管理と、まさに電気工事全体の管理監督業務を行いますので、業務の中で自ずとノウハウが身についていきます。上位の資格を取得することで「監理技術者」など、責任あるポジションへとステップアップできる点も大きな魅力です。
電気施工管理技士国家試験について
受験資格
1級・2級、それぞれに基準があり、最終学歴ごとに必要とされる実務経験年数も異なります(短い場合で1年以上~長い場合は14年以上の実務経験が必要)。
試験内容
1級・2級とも学科試験と実地試験により行われます。
学科試験
●電気工学等
1.電気工事の施工に必要な電気工学、土木工学、機械工学及び建築学に関する概略の知識を有すること。
2.電気設備に関する概略の知識を有すること。
3.設計図書を正確に読み取るための知識を有すること。
●施行管理法
電気工事の施工計画の作成方法及び工程管理、品質管理、安全管理等工事の施工の管理方法に関する概略の知識を有すること。
●法規
建設工事の施工に必要な法令に関する概略の知識を有すること。
上記を問う問題が選択式&マークシート方式で出題されます。
実地試験
施工管理法の理解を問う出題が、記述式で出題されます。
合格率
2級/学科55~65%程度、実地40~45%程度
1級/学科45%程度、実地60~70%程度
どうすれば電気施工管理技士資格を取得できるのか
日常の施工管理業務への理解・習熟度を問う試験ですので、現場監督として電気施工管理の仕事を行っていくことで、資格試験合格のために必要な知識は得られると言えます。いっぽうで、関連法規などに集中したい、イチから仕事の流れを学びなおして試験に挑みたいという意欲的な方には、各種スクールが開講する資格取得対策講座を受講してみるのもいいでしょう。
その際は、実務経験豊富な講師が在籍しているスクールを選ぶと、より実践的な学びが期待できそうです。