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J-CTECコラム

衛生設備施工管理の仕事とは

どこで何をする仕事なのか

私たちの生活に欠かせない水。生活の中では、水道から水を「飲む」こともあれば、清掃のために「流す」ことなど、シーンにより水の使い方はさまざまですが、共有しているのが「衛生」に関わること。そして、これら衛生にかかわる整備を「衛生設備」と総称し、その施工管理を行うのが、衛生設備施工管理です。衛生設備施工管理は、トイレや洗面台、浴室などの衛生設備工事に関わる、工事計画の策定、予算管理、安全管理、工事の品質管理、環境管理などを行います。

衛生設備は、戸建住宅やマンション・アパートといった集合住宅だけでなく、オフィスビルやホテル、商業施設・公共施設など、人が集まる場所には必ずあると言っても過言ではありません。幅広い領域で衛生設備全般を扱う衛生設備施工管理には、それだけ特殊な専門知識や技術が必要です。特に給排水に関する深い知識が要求されますが、人の生活に関わる「インフラ」を一手に担うというやりがいを感じられます。

人が生活する限り必要な役割でもありますので、ニーズがなくなることのない抜群の安定性があるとも言えそうです。

活かせる経験・スキル・資格は何か

資格がなくても現場監督として衛生設備施工管理を行うことはできますが、取っておくと助かる資格、業務の幅を広げられるスキルは多々あります。ここでは、その一部をご紹介します。

管工事施工管理技士

衛生設備施工管理を行ううえで、最重要と言えるのがこの資格。管工事施工管理技士とは、建設物の工事のうち給排水・給湯設備工事、冷暖房設備工事、空調設備工事、ダクト工事、浄化槽工事、さらにガス配管工事、衛生設備工事などの「管工事」において、施工計画を作成し、工程管理、品質管理、安全管理、環境管理等の業務を行える資格です。

1級と2級があり、いずれも受験には実務経験が必要です。合格は衛生設備施工管理のスペシャリストである証となり、この資格を持っていることで、工事現場の主任技術者に専任することができます。また、1級管工事施工管理技士を持っていれば、新しく建設業者が営業所を設置する際、監理技術者になることが可能です。

1級は水道工事、水道設備に関する資格の中では最も難易度が高くなりますが、1級保持者の存在は建設業者にとって技術力を示す指標となりますので、業界における需要も極めて高くなっています。

給水装置工事主任技術者

給水装置に関する技術上の管理や給水装置工事に従事する者の技術上の指導監督などが行える国家資格です。水道工事自体は無資格でも行えますが、監督者は必ずこの資格を取得しておかなくてはなりません。また、施工した給水装置は水道事業者が検査しますが、このときの立会人になるためにもこの資格が必要です。つまり、給水装置工事の責任者になるために必要な資格です。特に指定工事店に認可されるには、この資格をもつ専任者を置く必要があります。

収入はどれくらいか

管工事施工管理技士資格を取得した場合、一般に年収は、

1級管工事施工管理技士:平均500万円から600万円以上
2級管工事施工管理技士:平均400万円から500万円以上

と言われています。特に大手求人サイトでは、豊富な実務経験を持つ1級保有者を対象にした年収800万円以上での求人も多数見受けられます。特に大企業で勤務する場合は、さならる高収入も期待できます。

今後のニーズや安定性など

人類は水との関わり方を見つめることで、生活の質を発展させてきました。このように、水は人の生活に絶対にかかることができないものであり、衛生設備の工事は人の生活がある限りなくなることはないでしょう。また、大型マンションやオフィスビルの新築など、大規模な衛生設備の工事を行う場合、企業は管工事施工管理技士資格を持った現場監督を立てる必要があります。

その意味で、衛生設備施工管理には、今後も安定したニーズが見込まれますし、施工管理を行う現場監督は、スペシャリストの証である管工事施工管理技士資格を取得することで、より自らの市場価値を高めることができそうです。

数ある建設工事のなかでも、より人の生活に密着した仕事でキャリアアップしたいという方は、ぜひ挑戦を検討してみてはいかがでしょうか?


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