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施工管理技士の資格一覧(種類、難易度、試験内容)

建設現場に関する資格は数多く存在し、実際に作業するために必要な技術資格や現場で使用する重機を操作するために必要な資格など、目的に応じて種類が分かれています。
その中でも近年注目を集めているのが「施工管理技士」という管理資格です。これは日本の建設業において特定業種の技術を認定した国家資格であり、設計から実際の施工に至るまでの一連を管理する人が取得できます。しかしこの資格を取得するためには、一定の受験資格をクリアし、試験に合格する必要があるのです。当記事では、施工管理技士の資格に関して、施工管理技士の種類・試験の内容・難易度などをご紹介いたします。


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施工管理技士とは

「施工管理技士」とは、建設業法で定められた国家試験である「施工管理技術検定」の1級または2級合格者を指します。この試験は年に1回開催されており、受験する資格によって試験内容は異なりますが、基本的にマークシートや記述の筆記形式です。この試験を受験し、合格基準点を超えたものだけが資格を取得することができます。合格すると受験した級の施工管理技士の称号を得ることができ、所属会社が請け負う現場にて主任技術者もしくは監理技術者となることが可能となります。

施工管理技士の資格を取得することは、無資格で管理していた現場よりも大きな現場の管理を任されるようになるだけでなく、所属する会社に対しても大きなメリットを与えるのです。


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施工管理技士がなぜ必要なのか?

施工管理技士がなぜ必要なのか。その理由は下記の3点です。

・専任の技術者に認められるから
・監理技術者・主任技術者になれるから
・経営事項審査において評価されるから

まず、施工管理技士の資格を取得すると「専任の技術者」に認められます。これは、営業所の中で請負契約締結における技術的なサポートをする役割の人物で、業務内容は注文者への技術的な説明や見積もり作成などです。
また、「監理技術者・主任技術者」になることができます。監理技術者は大規模な元請工事の監督者として配置されるようになり、主任技術者は小規模の元請工事や下請工事にて配置されます。しかし2級施工管理の場合、監理技術者になることができないため注意が必要です。
そして、施工管理技術者の数や取得級は、「経営事項審査」にて評価されます。経営事項審査とは、公共工事の入札に参加する企業の規模や経営状況を表すために数値化する審査のことで、各企業は自社に所属する施工管理技士の人数によって評価が異なるのです。大規模な工事を受注するためには、より多くの施工管理技士が必要になってきます。

施工管理技士の資格種類とは

施工管理技士の資格は下記の7種類があります。

建築施工管理技士(1・2級)
土木施工管理技士(1・2級)
電気工事施工管理技士(1・2級)
管工事施工管理技士(1・2級)
・造園施工管理技士(1・2級)
・建設機械施工技士(1・2級)
・電気通信工事施工管理技士(1・2級)

なお、電気通信工事施工管理技士(1・2級)に関してはIoT化する社会に備えて、令和元年より新設された資格です。

試験内容・難易度について

施工管理技士を受験するためにはある一定の基準をクリアしている必要があります。主に学歴・保有資格と実務経験によって受験資格が異なります。受験する資格の種類によっても基準が異なりますので、各資格を主催する組織のホームページから確認するようにしましょう。

試験内容について

1級・2級とも学科試験と実地試験により行われます。以下より、「1級建築施工管理技士」を例にご説明していきます。
なお、受験の流れは受験する資格の種類や級によって異なるため、1級建築施工管理技士以外の受験をする方は別途確認するようにしましょう。

1級建築施工管理技士の場合、学科はマークシート式で、試験時間は午前2時間半・午後2時間の計4時間半です。主に建築学、施工管理法、法規の3カテゴリーから出題され、60問中36問以上に正解した人が学科合格者(2019年度時点)となります。そして、学科試験合格者のみ実地試験を受けることができ、実地は出題された問いに対して文章形式で回答していく内容です。専門用語・数値などをどれだけ使用して回答できるかという点がポイントとなります。


各試験のポイント
学科試験と実地試験のポイントは下記の通りです。

・学科:名称・数値を的確に押さえておくこと
・実地:ご自身の経験から説明する案件をある程度絞っておくこと

学科の場合、マークシートのため正解不正解が明確な試験になります。丸暗記する必要はありませんが、質問の内容を理解していないと答えることができません。質問の内容としては名称や数値を問うものが多いため、その辺りを重点的に押さえましょう。
また実地の場合は、ご自身の経験を元に質問の内容を盛り込んで回答していきます。説明する案件は受験前に決めておくと良いでしょう。

難易度について

2018年度1級建築施工管理技士の合格率は、学科:36.6% 実地:37.1%です。
(引用元: https://www.shikaku.co.jp/kenseko/info/exam/contents/goukaku.html)


毎年3〜4割ほどの合格者がおり、極端に合格率の低い資格ではないと言えます。 しかし、実務試験ではあまり出てこないような専門用語を問われることも多々あるため、受験勉強は必須です。資格取得専門の学校では半年〜1年ほど前から授業を開始する学校もあるため、そのくらいの期間から準備を進めておくと良いでしょう。

まとめ

施工管理技士には様々な種類があり、受験する資格によって試験の内容が異なります。
学科では、普段の業務で頻出しない用語などがあるため試験対策は必須ですし、実地では、頭で分かっていても文章に書き起こすことに時間が掛かる場合があるため、試験を想定した練習が必要です。しかし、例にあげた1級建築施工管理技士の合格率から見ても、きちんと対策をして試験に臨めば合格する可能性は高いと言えます。まずはどの資格を受験するかを確認して、その資格に見合った対策をしていくようにしましょう。


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